涅槃像


 

丹後半島の山合いの集落に松源寺という小さな禅寺があります。昭和の初めに、この寺のすぐ向かいで火事があり、たくさんの火の粉が寺に降りかかりました。

そのとき寺を延焼から守ったのが大きく枝を広げた楠の古木でした。火の粉をたくさん浴びて焼け焦げたその楠は、後になって伐採されましたが、この楠を使い、地元の彫刻家に頼んで釈迦の涅槃像が造られました。いくつかのご縁により、その像の彩色をさせていただきました。

像の胎内には「世界平和」「自燈明・法燈明」の願文が納められています。

 

 

 

 

 

 

薬草に親しむ

 

 

生命力の強い草木には薬効があることは昔から知られていますが、家のまわりにはそのような植物が結構あるので、薬草茶を作ってみようと思います。

ドクダミ、スギナ、枇杷(葉や実の種)、松葉などですが、あのセイタカアワダチソウの葉も利用できることを最近知りました。

まずは、松葉、スギナの葉を摘んで乾かし、粉にしてお茶にしたり塩を混ぜて振りかけにしてみようと思います。身体の免疫力が高まるそうです。

 

 

 

 

小さな宇宙

 

 

地球に海や陸や河川があり、そこに無数の動植物が生息しているのと同じように、人体にも骨や肉があり、血液が循環し、無数の微生物が生息しています。地球も人体もそれぞれが小さな宇宙を構成していて、全体のバランスが保たれているということです。

人に宿っている菌のなかには、身体に有害な物質を食べて除去するはたらきのあるものもいて、乳酸菌には放射性物質を取り除いてくれるものもあるそうです。

全体のバランスを保つことが大切です。除菌というのにも気をつけなければいけませんね。

 

 

 

 

さくら

 

 

桜の花には何か不思議な力が宿っているようです。花の季節になると何となく落ち着かなくなるのはその力がはたらいているからでしょうか。人びとが花見に出かけたり、敷物を敷いて宴をひらく気持がよくわかります。

西行が京の西に庵をかまえていたころ、春になると大勢の人が花見に訪ねてくるので嘆いていると、老桜の精があらわれて、「花はただ咲くだけのものです。花には咎はありませんよ」と諭したそうです。

 

 

 

 

高野御室


 

皇室にゆかりのある高野御室と呼ばれる寺を訪ねました。高野山の中でも最も北に位置していて、境内の静けさや清らかさが印象に残りました。快慶晩年の作といわれる阿弥陀三尊像が安置されています。

住職の話によると、弘法大師空海は弥勒菩薩が降臨するまでの間、衆生の救済の誓願をたて、今でも奥の院に坐しておられるのだそうです。その話を聞き、空海と弥勒との深いつながりを知ることができました。

 


虚空尽き、衆生尽き、
涅槃尽きなば、我が願いも尽きん。
『性霊集補闕鈔』 巻第八 「高野山万燈会願文」

 

 

 

 

真実を語る


 

嘘が良くないことは子供でも分かることですが、その本当の理由を知る人は多くありません。

嘘をつくことは自分と相手を同時に欺くことであり、思いと話す言葉と行いが真っ直ぐにつながらないので、思うことが実現できなかったり、話す言葉が相手の心まで届かなかったりするからです。そしてそのような状態にあると物事の判断を誤ったり、逆に人に騙されたりしてしまいます。

生きていく上でいつも真実を語ることは簡単なことではありません。時には命を落とすことがあるかもしれません。それでもその勇気を持ち続けたいと思っています。何故なら、人の真価は実績や名声ではなく、誠実さや謙虚さにあると思うからです。

Honesty is hardly ever heard
And mostly what I need from you

– William Martin Joel –

 

 

 

 

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