Archive for the ‘art’ Category

大観のことば

10月 8th, 2020

 

 

 

 

様々な方法で自己を表現する人は、いつも自分自身を顧みなければならないと思います。

 

富士の名画というものは、昔からあまりない。それは、形ばかり写すからだ。富士を描くということは、富士に写る自分の心を描くということだ。心とは、畢竟、人格にほかならぬ。それはまた、気品であり、気迫である。

富士を描くということは、つまり、己を描くということである。己が貧しければ、そこに描かれた富士も貧しい。富士を描くには、理想をもって描かなければならぬ。私の富士も、けっして名画とは思わぬが、しかし、描く限り、全身全霊を打ち込んで描いている。

富士の美しさは、季節も時間も選ばぬ。春夏秋冬、朝晩、富士は、その時々で姿を変えるが、いついかなる時でも、美しい。それは、無窮の姿だからだ。私の芸術も、その、無窮を追う。

-横山大観「私の富士観」 朝日新聞・昭和29年5月6日より-

 

 

 

 

全身全霊で

1月 26th, 2020

 

 

 

 

横山大観の制作にまつわるエピソードの中で特に印象に残る話があります。

第一回帝展に出品された六曲一双の龍を描いた屏風を制作する際に、屏風の一折を1枚と数えて、完成までに90枚を書き直したという話です。大観はこの展覧会には特別な思いを持っていたのでのでしょうか、一切の妥協を許さなかった姿勢が伺えます。

偉大な先人に倣い、作品にはどのような小さな仕事でも常に全身全霊で心血を注ぐという心構えで臨みたいと思います。

 

 

 

 

数学のはなし

9月 8th, 2019

 

 

 

 

数学の専門家によると、数学の公理などは人間が考え出したものではなく、すべて隠されていたものを「発見」したものなのだそうです。

芸術家が想像力や霊感によって宇宙の中に暗黙の秩序を見出し、それを音や形にすることとよく似ています。優れた数学者が共通して持っているものは、謙虚さと特別の美意識、そして精神性です。

数学と芸術はそれほど離れてはいないかもしれません。数学者はみな、数学は圧倒的に美しいと言い切っています。

 

 

 

数学者は詩人でなくてはなりません

-ソーニャ・コワレフスカヤ-

 

 

 

職人の仕事

6月 7th, 2019

 

 

 

 

職人技とよく言われるように、職人の仕事を評価するのにその技術力に注目が集まります。

そのような話を師匠としていたときに、師はこう言いました。第一は誠実さ、第二に品格、技術は三番目である、と。

 

清澄な心で形を造り、そこに品位が備わって初めて美が顕れるということなのではないかと思います。

 

 

 

ほほえみの色彩

6月 1st, 2019

 

 

 

 

笑顔に出会うと、明かりが灯るように心が暖かくなります。ほほえみを色で表わすとどのような色になるのでしょうか。淡いクリーム色か、バニラのような温かな色彩かもしれません。

感情や音楽などはそれぞれの色彩を持っているそうです。色には神秘的な力があるようです。