人生の道行きは山登りにたとえられることがあります。しかし、行路の地図はなく、現在地も自分がどこにいるのかわからないことが多いのが現実です。
確かなことは、振り返ったときに自分が歩んできた道が見えることだけです。進んで行く道の足元を照らし、方向を定めるものがあるとすれば、自分を信じることと、謙虚な姿勢で自然の導きに委ねていくことでしょうか。それから、何らかの信仰のある人は恩寵を受けとることができるかもしれません。
道を行く人びとが、そのような宝を大切にして足を一歩ずつ前へ進めていけるように願っています。
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智慧の完成者はこの道を示すだけである。
おのおのが自分の足でその道を行かなければならない。
「ウダーナヴァルガ」第12章