祈りの詩集

 

愛する人、大切な国、美しい星々を想い、語る。繰り返される言葉は純化されて祈りに変わっていくのでしょうか。

水を沸騰させて蒸留し、それをまた熱して蒸留することを重ねていく、その際限のない繰り返しのなかで、人の精神は変容していくのです、とある錬金術師は語りました。

 

竹友藻風(1891 – 1954)は神学、英文学を学び、1913年(大正2年)、詩集「祈禱」を刊行しました。詩集には純化された言葉が美しく綴られています。

 

 

 

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眠れる人のうへに、
靜かなる祈禱の雨はふりそそぐ。
わが部屋に、心のうへに、
むせびつつ水はしたたる…
うす⾭の空のかなたには、
月光の海の底に、
漾へる森、なびく樹立、
靜寂の國…
いかなれば外はしづかに晴れ渡り、
いかなればわが部屋にのみ雨はふるらむ。
– 竹友藻風「眠れる人のうへに」-

 

 

よあけ

 

空が少しずつ明るくなりはじめ、新しい一日の生まれる時。静かな、澄んだ空気のなかに心を合わせると、魂が空全体に拡がっていくようです。

今日一日の無事と世界の平和を祈ります。

 

やさしさ
謙遜な心
すなおな信仰
それは浅くても尊い

– 八木重吉 –