平和な心で

 

この頃、大きな街を歩いて気になることは、公園などに置かれているベンチに仕切りや細工がされていて、そこで横になったり長い時間座ったりしにくくなっているのではないかということです。

先日、広島を訪ねました。街は緑がゆたかで休むことのできる椅子やベンチがいくつも設置されていましたが、そのような細工がされていないのに気づき、それが自然であたりまえのことであるのに、その優しさに心が温まりました。

 

平和な社会をつくるというのは、一人ひとりの中に、人を思いやるあたたかな心を持つことが大切なのではないかと改めて思うのです。

 

 

心をこめて

 

書道家が渾身の気力を込めて書いた作品の文字を電子顕微鏡で調べると、墨の粒子が同じ方向に整列しているのがわかるそうです。制作時の心のあり方が作品に表れるのでしょうか。

日々の生活の中でも、どのような心で過ごしているか、その延長線上に仕事の結果があるのではないかと思います。

 

「製作は密室の祈り」と書いた村上華岳は、同じ著書の中で「神を相手にせよ、汝のすべての業を 神の前に捧げよ」と語っています。
大変畏れ多いことですが、人生の残りの時間をこのような心で…と思っています。