聖山に祈る(2)

 

 

聖母の園

伝説によると、聖母マリアはキプロスに住んでいた伝道者ラザロの「死ぬ前に一度会いたい」という求めに応じて、エルサレムから船出をしましたが、エーゲ海に出たところで嵐に遭遇し、漂着した所がアトス半島でした。

その時、<この地を御身の園そして楽園に。救いをもとめる者たちの港とされよ>と主イエスの声を聞き、上陸されたといいます。

ギリシア東北部にあるアトス半島は、共和国内にありながら正教会の修道院による自治が認められていて、この領域に「入国」するためには許可書が必要です。訪問することができるのは男性に限られ、舟に乗って「入山」します。そして許可された滞在期間に各々の巡礼のための時間を過ごします。

ここには深い静寂があるといわれます。祈りと観想によって神の光につつまれ、神と一つになろうとする静寂主義(ヘシュカスム)の伝統が今も息づいています。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です