僧院などでは日々行う物事の区切りに太鼓や鐘を打ち鳴らすことが一般的です。それにはいくつかの理由があって、遠くからも聞こえることや、言葉による伝令よりも音の方が身体が素直に反応するからなのだそうです。言葉を聞くと思考や感情がはたらき、反応が鈍ることがあるからでしょうか。
習い事をするときには同じ動作を繰り返し練習して、身体に浸み込むように覚えさせることをしますが、頭を使わずに身体で物事を理解することには何か秘密がありそうです。
武道などをはじめ様々な芸道の中で、作法などを一度身体が覚えるとそれがそのまま自然の理にかなっていることが分かります。身体にはこの法を学ぶ智慧が備わっているようです。